*本ページ紹介の6点は、現在、岡崎市美術博物館に寄託しています。
松平清康公像
清康公を描く唯一の肖像画。格子状の小袖に浅葱色の裃を着し、右手に扇子、左手に数珠を持って姿で描かれている。上部に「清風時発 出五音声 微妙宮商 自然相和 年叟道甫居士」と賛がある。
倫誉上人像
月僊筆
- 隨念寺十五世超蓮社倫誉上人を月僊が描いたものである。倫誉と月僊はともに浄土律の復興運動につとめた関通上人の弟子であり、関通を通じて2人に信仰上の繋がりがあったと考えられる。
梔子紋堆朱香合
楊茂 作
- 堆朱は朱漆を幾層にも塗り重ね、それを彫刻して文様を表したもので、中国の元時代に始まる。本品は底裏に「楊茂造」の針書銘があり、楊茂は中国元時代を代表する調漆の名匠である。箱書より永禄5年(1562)7月に家康公より寄贈されたことがわかる。
徳川家康公判物
- 家康公が羽角(西尾市)、浦辺(占部・岡崎市)にあった西明寺領、田原・野田・吉美にあった幸徳寺領の所領を隨念寺に寄進するものとする。
隨念寺が所蔵する判物の家康公の花押は天正2年(1574)~天正3年(1575)まで使われているものである。
劉備(玄徳)・関羽・張飛図
月僊筆
- 桃園の誓いを経て義兄弟となった蜀の中心人物、劉備・関羽・張飛を描いた三幅対である。月僊は、それぞれの変化をつけて描き分けている。天明前半の制作と思われる。
山越阿弥陀図
月僊筆
- 桶狭間にて亡霊退治の本尊と隨念寺に申し伝えられているものである。その由来は、桶狭間亡霊退治を永禄6年に家康から命じられた黁譽が彼地に赴き、近くの祐福寺にあった山越阿弥陀を借用して念仏執行回向をしたところ亡霊は退散した。本図はその山越阿弥陀図を黁譽が写したものと言われている。